扇子ショップ大広のスタッフ 藤田です。
先週よりみなさまに少しでも扇子に興味を持っていただければと思い、
箸休め程度の小噺をこれから紹介していきますのでご拝見いただければと思います。
今回、おすすめするお噺は「時そば」というお噺。
ある冬の深夜に小腹が空いた男が通りすがりの屋台の二八そば屋を呼び止めます。
男は気さくに「おうッ、何ができる? 花巻にしっぽく? しっぽくひとつこしらいてくんねえ。寒いなァ」とちくわ入りのかけそばを注文し、その後は、看板を褒めたり割られていない箸を見て「割られていると誰が使ったかわからない」と割り箸をほめます。
更にそばを食べながら器、汁、麺の細さ、厚く切ったちくわなどをほめ上げ、食べ終わった男は、16文の料金を支払おうとします。
ここで「おい、蕎麦屋さん。生憎と、細けえ銭っきゃ持ってねえんだ。落としちゃいけねえから、手え出してくれ」と、主人の掌に一文銭を一枚一枚数えながら、テンポ良く乗せていきます。
「一(ひい)、二(ふう)、三(みい)、四(よう)、五(いつ)、六(むう)、七(なな)、八(やあ)」と数えたところで、「今何時(なんどき)でい!」と時刻を尋ねます。
主人が「へい、九(ここの)つでい」と応えると間髪入れずに「十(とう)、十一、十二、十三、十四、十五、十六、御馳走様」と続けて16文を数え上げ、すぐさま店を去ります。
…つまり、代金の一文をごまかしたのです。
この一部始終を陰で見ていた別の男、さっきの男の言動を振り返り、勘定をごまかした事に気付きます。
その手口にえらく感心し、真似したくなった男は、自分も同じことを翌日に試みる事に…。
さてさて。
この後一体どうなるのでしょうか??
この時そばの中でそばを食べる描写の中で扇子はお箸の代わりに使われます。
「時そば」で私のお勧めの噺家さんは
「柳家喬太郎」さんと国宝「柳家小三治」さんでございます。
最近は便利なものでYouTubeなどでも手軽に国宝が見れるということでご興味あればご視聴いただければと思います。
たまには日本の伝統芸能を見られて、扇子を使って真似をされるのも一興ではないでしょうか。
落語のお噺にちなみ、謎かけをおひとつ。
卒業とかけまして、推しのキャラのうちわや扇子と説きます。
そのこころは
どちらも仰げば尊し。
おあとがよろしいようでm(_ _)m